成績の上げ方

成績って中々上がりませんよね。

多くの生徒をマンツーマンで指導した私ですが、全く成績を上げられなかったこともあり、

いかに成績を上げることが難しいのか、よくわかっています。

 

「塾に行ってもついていけないから、個別指導塾にします」

「個別指導塾では伸びないので家庭教師にします」

「家庭教師でも伸びない!?一体どうすれば…」

ということも、よくあることではないでしょうか。

 

その一方で先生方も、

「一体どう教えれば伝わるのだろう」

「一体どう教えれば覚えられるのだろう」

と悩んでいらっしゃることだと思います。(私もよく悩んでいます)

 

そんな方たちのお役に立てればと思い、

私自身が実際に成績を伸ばすことができた方法を、色々書いていきたいと思います!

 

学習面について

教科書やワーク、プリントを取り組もう

そもそも、テストって何のために行うのでしょうか?

それは学校の先生が、

「あなたはどれくらい、私の授業を理解しましたか?」

と確認するためです。

 

だから、市販や塾の教材よりも、学校で使った教材を中心に勉強するべきなのです。

とはいえ、教材が難しすぎるとやる気が削がれる、理解ができないということで本末転倒となることもあるので、

難しすぎる場合は、その子のレベルに合った問題を解かせましょう。

得意なところを探そう

人はみんな、得意不得意がそれぞれ違います。

当然ながら、得意なところは伸びやすいし、やっていて楽しいです。

逆に不得意なところは伸びにくいし、やっていて疲れます。

 

さらに得意なところが伸びると、

「やればできる」という自信がついてきます。

すると、次第に苦手な教科にも挑戦できるようになります。

だから、得意なところを中心に学習を進めまさせましょう。

 

実践例~理科を35点上げた生徒~

E君は5教科合わせて130点と、どの科目もそれほどよくありませんでした。

ところがE君は理科が好きで、理科を教えたときだけよく理解できています。

なぜだろうと思いながら観察していると、問題を解く際、いつも用語が思い出せなくて苦労しています。

実は理解はできているのですが、テストでは「胚珠」「種子」といった用語を思い出せなくて、点数が取れなかったのです!

 

そこで絵カードをつくり、「胚珠」という言葉と「胚珠」の絵を結び付けさせ、

「胚珠」という言葉を思い出しやすくなるように工夫しました。

このようにすると、次第に用語が答えられるようになり、

さらに理科好きも相まってよく勉強するようになり、

27点 → 62点に急上昇したのでした。

実践例~計算はできないけど図形が得意な生徒~

前述のE君、再び登場です。

この生徒は数学が大の苦手で、10点~20点台をうろうろしています。

ところが図形やグラフは得意で、学校の授業を聞くだけで50点を取ってきます。

 

このように、同じ科目でも分野によって得意不得意が分かれるので、

もしも同じ科目で成績が乱高下することがあれば、得意なところが見つかるかもしれません!

 

苦手なところの教え方

得意なところばかり教えたいものですが、

ある程度自信がついたら、苦手なところも克服しないといけません。

(特に高校生は赤点がありますから、苦手科目から逃げられません)

そういうわけで、苦手なところの教え方も書いていきます!

丸暗記で逃げよう

苦手なところって、理解するのにたくさんのエネルギーを使います。

何を言っているのか、どうしてそうなるのか、何を答えればいいのか、さっぱりわからないからです。

だから、もしできるのなら、丸暗記で逃げさせましょう!

難しい理屈なんてどうでもいいんです、とりあえず丸暗記で乗り切りましょう!

 

丸暗記がうまくいかない場合

実は、丸暗記で乗り切るなんて、私が言うまでもなく、

恐らく、ほぼ全ての人が実践していることだと思います。

 

しかし丸暗記しようとも、数学の解法など、どうしても覚えられないことがあります。

こうした場合は、教える側が気長に、何度も教える必要があります。

 

失敗例~とにかく答えだけ覚えました~

算数が苦手なY君に計算の順序を教えました。

3 + 2 × 6 

覚えは悪かったものの、取り組みやすいように、負担が小さくなるように、

同じ問題で何度も練習を行ったうえで、解き方を覚えるという宿題を出しました。

 

さて一週間後、Y君はしっかりと宿題をこなしており、

3 + 2 × 6  = 3 + 12 = 15

と見事に正答することができました。

 

これで覚えられたと思い、ちがう問題を出題しました。

5 + 3 × 2

するとどうでしょう、

5 + 3 × 2  = 3 + 12 = 15

先ほどと同じ答えを書いてしまいました。

 

Y君は一生懸命宿題をしたのですが、

結果的に答えを丸暗記しただけになったのです。

 

成功例~たくさん声をかけよう~

中学3年のY君は受験を控えていますが、平方根の計算を覚えられません。

                 

この問題を目にして、どのように解けばいいか悩んでいます。

何度も教わったことを頑張って思い出そうとしていますが、わからないようです。

 

そこで、私は呪文を唱えます。

「ルートの掛け算は普通に掛ける」

どこから手を付ければいいか気づいたY君は手を動かします。

                 

 

私は√12を指さしながら、呪文を唱えます。

「ルートの中はできるだけ、掛け算の形で小さくしよう」

またもや思い出したY君は、再び手を動かします。

                   

 

ここで、「√2×√2=2だから…」

と言いかけると、Y君はハッとして2を√の外に出しました。

       

 

最後に、「√の中が同じ数になったら…」と言いかけると、

今まで何度も一緒に唱えた呪文だから

「足し算できる!」と元気よく答えました。

Y君、「足し算はルートの前の数を足す」と独り言を言いながら、見事正答!

                     

 

何度も、何度も、声をかけて、

「√の中が同じ数になったら足し算」などの呪文を一緒に唱えて、

何度間違えてもイライラしないように気を付けて教えて、

時間をかけて練習をして、ようやく平方根の計算をマスターしました。

 

高校生となった今のY君は、平方根の計算はもちろん、

二次方程式の解の公式の計算、二次関数、二次不等式までも解けるまでに成長しています。

声をかけ続けることで、「解法を言語化して覚える」というコツをつかみ、

これまで何度頑張っても覚えられなかったことが覚えられるようになったのです。

 

コツをつかむまではじっくり、焦らずに取り組んだからこそ、

今の彼の成長につながっているのだと思います。

 

国語の教え方

国語って何を教えればいいか、わかりませんよね?

私も国語の読解を教えてくれ、と言われたときはいつも

「何を教えればいいんだろう」

と頭を抱えたものです。

なぜなら私自身、教わった記憶がこれとしてないからなのです。

 

一緒に問題を解こう

国語が苦手な子は、読解の仕方がわからないことが多いです。

文章を読んでも、意味がわからないのです。

だから文章の内容をすぐに教えて、どういった内容なのか理解させましょう。

また、問題を解く際には、少し考えさせてもわからない(5秒くらい固まったときなど)場合は、

すぐに答えを教えましょう。

 

答えを教えていくうちに、段々答え方がわかってくるようになり、

次第に問題が解けるようになります。

さらに定期テストでは、多くが教科書の内容からの出題となっています。

教えた文章の意味が、答えが、そのままテストの点につながるのです。

なんと、国語は意外と手っ取り早く成績を上げられるのです!

(ただし模試や入試では、初めて目にする文章を解くことになるので、こちらの点数は伸びません)

 

実践例~読解力が身に付き、40点上昇~

I君は読解が苦手で、定期テストでは30点台を取ることもちらほら。

ワークを一生懸命取り組むのですが、頑張った割には点数に反映されず、漢字で点を稼いでいる状態でした。

何度か読解力を上げようと、市販の問題集を取り組ませましたが、

全く歯が立ちませんでした。

 

たとえば、教科書にある『字のないはがき』という随筆文では

『妹が帰ってくる日、私と弟は家庭菜園のかぼちゃを全部収穫した。小さいのに手をつけるとしかる父も、この日は何も言わなかった。私と弟は、ひと抱えもある大物からてのひらに載るうらなりまで、二十数個のかぼちゃを一列に客間に並べた。これぐらいしか妹を喜ばせる方法がなかったのだ。』

この、「小さいの」や「大物」が何を指しているのかわからなかったので、

「一体何を言っているのだろう」といった状態でした。

(ちなみにどちらも、家庭菜園のかぼちゃのことですね)

 

だから、一つ一つ、わからなさそうな文を解説していきました。

この場合では、「小さいのに手をつけるは、小さいカボチャを収穫するって意味だよ」という具合に。

 

こうすることで内容を理解したI君は、

ワークの問題の答えがなぜそうなるのか理解でき、

国語の点数をメキメキ上げられるようになりました。

 

初めは一つ一つ、文章の内容を教えていたのですが、

次第に教えなくとも、授業を聞いて理解できるようになり、

80点台を安定的に取れるまでになりました!

 

さらに模試でも読解問題を解けるようになり、

今では国語が得意教科となっているようです。

宿題の出し方

成績を上げるためには、やはりどうしても宿題が必要となってきます。

しかし、宿題の出し方って思っている以上に難しく、正直私は苦手です。

 

とはいえ、やはり宿題を出すのと出さないのとでは、学習の定着度が違いますので、

生徒に合わせて、色々考えながら宿題を出しております。

そういうわけで、どんな風に考えて宿題を出しているのか、こちらで記していきたいと思います。

宿題は基本的に、「今日学習した内容を」

私の宿題に対する基本的な考え方は、「教えたことを定着させる」です。

特に勉強が苦手な生徒の場合は、あれこれ勉強をさせると混乱してしまうこともあるので、

まずは教えたことをきっちり、身に着けさせるために宿題を出します。