学習障害(ディスレクシア)と診断されて、
特別支援学級に在籍している生徒のお話です。
本を読もうとすることは全くなく、
文章も問題を出された時に、仕方なく読む程度です。
本日学習したい科目を尋ねたところ、
社会(地理)と答えてくれたので、
彼女が好みそうな、
小学生向けの地図帳を差し出しました。
すると、彼女は都道府県ごとの特産品に注目し、
それに関する雑談を始めます。
私もまるで友人のように
共感したり、彼女の知識に驚いたりして、
聞き役として過ごします。
彼女は次々とページをめくり、
気になった箇所の短い文章を
自分から読み上げた
のです。
そして、何でもないかのように、
また次々とページをめくり、
最後の索引で飛び込む文字の羅列に
「ここは目が痛くなりますね」
と口にして、本を閉じました。
ディスレクシアであるが故に、
文字の羅列を見ると目が痛くなるそうですが、
今回は短い文章ならば、
自分から読もうとする行動が見られました。
私見としては、彼女の読字能力の向上により、
文章を読むことにおける負担が小さくなったためだと推測しています。
特別支援学級・塾で効果的な指導を受けた、
成長期における脳の発達に伴って能力が向上した、
精神的に安定した、
学習を能動的に行った、など
様々な要因が考えられますが、
ここでも生徒の成長を目の当たりにすることができて、
大変うれしく思っております。
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