大きな数が読めた!〜自閉症の子への教え方〜

大きな数の読み方がわからない!!

小学4年の算数の最初の単元、大きな数。

例えば 1234567890123 という数であれば、

一兆 二千三百四十五億 六千七百八十九万 百二十三

と呼びますね。

こんな感じで、大きな数を読んだり、書いたりする技術を身につけます。

 

一見すると、すごく簡単な内容に思えますが、

やはり人それぞれつまずきポイントが有り、

ここでつまずいてしまう子もいます。

 

例えば、上の例であれば、このように答えてしまいます。

一億千万 二十三兆 四十五億 六千七百万 八十九万 百二十三 

・どこからどこまでの数に対してをつければよいか

・どこからどこまでの数に対してをつければよいか

・どこからどこまでの数に対してをつければよいか

ということが理解できていないようでした。

 

なので、改めてこの単元について学習することにしました。

先生が何を言っているのかわからない

改めて大きな数について学習することにしました。

まず、1234567890123という数について、一つ一つ位の名前を書きました。

1 2345 6789 0123
一 ??十一 千百十一 千百十一
兆 億億億億 万万万万

そして、↑を示しながら、

「千、百、十、一は繰り返し出てきているよね。ということは、十億の次の位は何になるかな?」

と訊ねると、

一兆!!

と自信を持って答えられてしまいました。トホホ…

どうも何か強い作用で、十億の次は一兆と脳に誤って刻まれているようです…

 

説明がそもそもこの生徒に伝わらないようで、

「千、百、十、一が繰り返し出てきている」という説明が理解できていないのではないか、

と考えました。そこで作戦変更です。

図や絵にされたらわかりやすい

今度は、右端から数を4つずつ囲み、それぞれのグループに

「なし」「万」「億」「兆」

と名づけました。そして、

「兆のグループは1しかないよね、だから一兆だけです。」

「億のグループは2345があるよね、だから二千三百四十五億です。」

といった要領で、お手本を示しながら説明していると、生徒が

「次は六千七百八十九万!」

と発言し、理解できた様子でございました。

 

それからも次々と問題に挑戦し、

「簡単です」「楽しい」

と発言していたことから、深く理解できたのではないかと感じておりました。

まとめ

言葉や文章だけでは理解できないため、説明に窮することが多々ございますが…

絵や図を用いるなど、説明の方法を工夫するだけで、

今まで理解できなかったことが急に理解できるようになるようです。

 

今回のケースでは、生徒が言葉への理解が苦手であるため、

口頭での説明は見事に玉砕しましたが、

図を用いると、視覚的に情報を得ることができるようになり、

私が伝えていることを理解するための補助として、大きな効果を発揮したようです。

 

今まで理解できなかったことも、身につかなかったことも、

それは言葉への理解が難しかったからであって、

獲得できる能力が備わっていない訳ではないのではないか…

この出来事は私に対して、今まで抱いていた「理解できないなら仕方がない」という考え方を根本から

揺るがす、大きな疑問を投げかけているようですね。

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