国語の教え方 読解のサポートについて

勝手な想像

読解問題が苦手な子って割といますが、
果たしてどのように教えればいいのか…

気付いたことを備忘録的にまとめさせていただきます!

読み間違えがち

読み間違えたり、行を飛ばしたりすることが多い子は、
「読む」という作業だけで精いっぱいで、
読解することが難しいことがあります。勝手読み・飛ばし読み

「読むだけで大変なんだ」と理解したうえで、
一度に読ませる量を少なくしたり、
一度指導者側が読んだ後、同じ部分を読ませたり、
読ませる文字を指でなぞったり、
文章を拡大コピーしたりするなどして、
手助けをすると、読解がしやすくなります!

あまりにも音読がたどたどしい場合は、
指で文章をなぞりながら、一字一字読ませたり、
書き写しをさせたりして、読解より「読む」ための土台作りに専念する必要があります。
今回は「読解力をつける」ことをお伝えしたいので、省略させて頂きます。
(私自身、そのような指導はしたことがありますが、それほどノウハウはありません…)

京都府総合教育センターの特別支援ガイドブックが参考になるので、
気になる方は、ご覧ください。(結構ページ数が多いです)

語彙が少ない

知らない言葉が出たら、漢字の意味から推測させよう

読解できない子に多く見られる傾向として、「語彙が少ない」ことが挙げられます。
例えば、

  田んぼの中の小道をしばらく進むと、農道に出る。(斉藤 洋『七つの季節に』より)

という文章で、「農道」がわからないとすると、

  田んぼの中の小道をしばらく進むと、□□に出る。

ちょっと情景を描くことが難しくなります。
往々にして、語彙の少ない子は、
漢字を元に意味を推測する、という考え方を知らないので、

  農道はわからないけど、「道」という字がある → きっと道のことだ

このように漢字を元に推測するように指導すると、
知らない言葉でも推測して、読解できるようになります!

推測できないものは教えてしまう

漢字を元に推測できないような言葉、たとえば
「木の幹」「したがえる」といった言葉は、
教えてしまう他にないと思います。

木の幹としたがえるの説明

こんな感じでイラストを描いて示したり、
画像を見せたりすると、頭に入りやすいと思います!
(したがえるは、ジャイアンが連れていくようなイメージ、と口頭で伝えるだけでも良く伝わります!)

文のつながりを意識できていない

指示語が示す言葉がわかっていない

指示語がさす場所

(斉藤 洋『七つの季節に』より)

読解が苦手な子は、「そこ」「これ」などの指示語がさす言葉について、
考えることなく読み進めてしまいます
したがって、どこに行くのかわかっておらず、
ただ「どっかに行ったら街灯があったんだな」と思うくらいなのです。

文章がつながらないから、情景を描けないのですね。

なので、「そこ」とか、「これ」とか、そういった指示語が出てきたら、
毎回毎回、「そこってどこだろう?」「これってなんだろう?」と
声をかけて、意識させることが大切だと思います!

考えさせても、当てずっぽうな答えだったら、
「そこってことは場所だよね」「そこ、の前にある場所と言えば…農道のことだよ」
など、考え方を詳しく教えると、見つけやすくなります!

イラストを描くと、よりわかりやすくなる

そこ、が農道とわかっていても、
どのようにつながるのか、よくわかっていないかもしれません。
そこで、簡単なイラストを描いて示すと、理解できるようになります。

田んぼの中に小道があること、
小道の先には農道があること、
「までにも」という言葉が「小道を進んでいる途中のこと」ということ、
こういったことについて理解させるには、やはり簡単なイラストで示すことが一番だと思います。

とはいえ、イラストをさっと描けないこともございますので、農道イラストこのような感じで、〇などで位置関係だけ示すだけでも、とても伝わりやすくなります!

接続詞で引っかかる

接続詞の役割を知らない

「しかし」は、前後の文の意味が逆になっている時、
「なぜなら~から」は、理由を述べる時に使うなど、
接続詞の役割を知らないため、接続詞がめちゃくちゃになってしまう子もいます。

まずは接続詞の役割を覚えさせる必要があるでしょう。

接続詞の役割は知っているが、適切な接続詞を選べない

接続詞で引っかかる子は大抵、接続詞の役割自体は知っています。
(前後の文の意味が逆なら、「しかし」を使うなど)

しかし、接続詞の問題となると、
適切な接続詞を選べなくなってしまうのです。
一体なぜでしょう。
例として、逆接の関係を取り上げさせて頂きます。

対義語が含まれていないと、見抜けない

 このテレビは安い。( 接続詞 )、あのテレビは高い

この問題ならば、ほとんどの子が「しかし」と答えると思います。
「安い」と「高い」という、逆の意味になっている言葉が含まれていると、
「逆の意味になっている」と理解しやすいのだと思われます。

 このテレビは安い。( 接続詞 )、財布は空だ。

この問題になると、「しかし」と答えられない子が出てくると思います。
今度は逆の意味になっている言葉が含まれておらず、 

 「安い」→「だから買おうかな」→「でも財布は空だ」

このように、書かれていないことを読み取らないといけないので、難しくなるのだと思います。

そういう訳で、一旦「財布は空だ」の部分を隠して、
「このテレビは安い、だからどうしようか?」
「買おうか?買わないでおこうか?」

と、声をかけます。

接続詞

大抵、「買う」と答えてくれると思います。
そこで、隠していたところー「財布は空だ」ーを見せれば、
「しかし」を入れないといけないことが、理解できると思います!

「僕は買わない」「なんか怪しいし」と、変化球で答えてくる子もいるのですが、
「テレビが1円だったらみんなどうするかな?」
「全く怪しくないということにしよう」
と、何とか誘導しましょう(-_-;)

設問に対する答え方を知らない

「抜き出しなさい」

「抜き出しなさい」と書かれているのに、自分で想像したことを書いてしまうこともあります。
そもそも、設問を読んでいない場合もありますが、

「抜き出しなさい、だから文章中から探さないといけないよ」

と声をかけても、自分で想像したことを書いてしまうこともあります。
「抜き出す」という問題の答え方を知らない、解き慣れていないことが考えられるため、
一度手本を示して、易しい「抜き出し問題」をさせて、
定着させる必要があります。

勝手な想像をしない

読解が苦手…というより、
文章を読むこと自体が苦手な子によくあるのですが、
文章に全く書かれていないことを、
勝手に想像して答えてしまうことがあります。

恐らく、文章を読むことが苦痛で、
探すことが面倒ということもあるのかな、と想像していますが(*_*;

とにかく勝手な想像をしない!
文章中にあることだけを答えましょう、
と伝えることと、

文章を読むことが苦痛なら、
必要に応じて休ませる
ことも、必要かな、と思っています。勝手な想像

有効なヒントを与えよう

国語教育…に限らず、全ての教科に共通して言えることですが、
なるべく「自分の力で解かせる」ことが大切です。
これは、「自力で解けるまで考えさせる」という意味ではなく、

「自分で答えを導き出す」ために、「指導者が有効なヒントを与える」ことが大切、
という意味でございます。

自力で解く

与えられた答えを聞くよりも、
ヒントをもらったとしても、「自分で解いた」という経験を積んだ方が、
自信がつきますし、「楽しい」「もっとやりたい」という意欲につながります。

とはいえ、適切なレベルのヒントを出すことはとても難しいですので、
自力で解くことが難しいと思ったら、あまり考えさせず、
答えを教えることも大切だと思います。
その、見極めがまた難しいのですが…
(私はよく失敗して、生徒に考えさせ過ぎてしまいます…本当に難しい!)

それから、ヒントがあれば自力で解けるレベル…と言う訳で、
生徒の読解レベルに合わせて、
取り組ませる教材を選ぶ必要があります。
中学生であっても、読解レベルが低いのならば、
小学生の問題に下げることも必要だと思います。

まとめ

読み間違いをしてしまう
→ なるべく読みやすいようにサポートする。
 あまりにも読み間違いが多いならば、「読む」練習を行う。

語彙が少ない、言葉を知らない
→ 漢字の意味から推測させてみる。。
 意味を伝えるだけでも良いが、イラストや画像などで見せると記憶に残りやすい。

文のつながりがわかっていない
→ 指示語が出たら、その指し示す言葉について、いつも考えるように声掛けをする。。
 接続詞の役割は覚える。
 書かれていないことを想像する必要がある場合は、支援する。

設問に対する答え方を知らない
→ 設問に対する答え方を示し、解き慣れさせる。

勝手な想像をする
→ 文章に書かれていることを答えるように声掛けをする。
 読むことが苦痛で、疲れている可能性もあるので、休ませることも大切。

有効なヒントを与える
→ できるだけ答えを教えるのではなく、自分で答えられるように、
 ヒントの出し方を工夫する(易しすぎても、難しすぎてもよくない)
→取り組ませる教材は、生徒の読解レベルに合わせる。

あとがき

「国語を教えてください」

と言われても…どうやって教えればいいのだろうか、と思っていました。
国語の読解の仕方を学校で教わった経験がないし、
読解ができなかった経験が無かったので、
一体どうして読解できないのか、わからなかったわけです。

国語に関する教材、それも読解が苦手な子のためのものを購入しましたが、
やはりそれでも、中々教え方がわかりませんでした。

読解が苦手な子を教えることは大変でした。
上のような理由も勿論ありますが、なんといっても、

「わからないところがわからない」
「わからないことでもわかったふりをする」

こうしたこともありまして、なぜわからないのか、
見当もつかないことが多々ありました。

それでも、繰り返し教えていくうちに、
少しずつ、生徒のわからないところがどこか、見当がつくようになり、
なぜわからないのか、考えられるようになりました。

それで、どのように教えればいいのかがわかるようになり、
期待した答えが生徒から出るようになっています。

とは言え、まだまだ道半ば。
もっと読解力を身につけられるように、頑張りたいと思います!

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