分数の足し算の教え方 通分はしたかな?分母を揃えてから分子だけたそう!

分母の違う分数の足し算5

指導している中学生の中に、分数となると敬遠する子がいます。
分数ってすごく、難しいのですよね。
小学校でつまずいてしまうと、中学校に上がっても、高校でも、
大人になっても引きずってしまいます。

しかし、どう教えればいいのかわからない!
という方のために、
なぜつまづくのか、
どうすれば解決するのか、
考えたことをまとめていきたいと思います!
(これで分母は足さないぞ!分数の足し算はこういうことだ!から、内容を改変しました!)

分数そのものがわかりにくい

分数の意味を理解しよう

どうして難しいのか

分数はそれまで学習してきた数と異なり、変わった表記をします。例えば
$$\frac{2}{3}$$
では、「1」を「3」つに分けたものが3分の2の意味
「2」つあることを表しているのですが、

「10」や「23」といった数と比べて、
意味が複雑になっています

だから、わかりにくいし、
$$\frac{2}{3}$$
を「1を3つに分けたものが、2つある」と考えられず、
通分する理由がわからない訳です。

まずは絵を使って、分数のことを教えよう

分数の意味がわかっていないのであれば、
まず絵を使って、分数の意味を学習させましょう。

「1をいくつに分けているのか」
「その分けたものがいくつあるのか」
ということを意識させると、分数の意味が理解できます!

あくまで一例ですが、私が用いたお手製プリントでございます。
(問題を解かせる場合はもちろん、青い枠は空欄となっています)

分数の大きさを答える練習

絵を見て分数が答えられるようになったら、
今度は分数を見て、どんな数であるか答えられるようにしましょう!

分数の大きさを、絵で描いてみよう

これがわかるようになったら、足し算に突入しましょう!

分数の足し算

まずは、分母をたさないように

$$\frac{1}{3}+\frac{1}{3}=\frac{2}{6}$$

分数の間違いとなると、やはり多いのが、分母をたしてしまうことでしょう。
今まで、+はたす、と習ってきましたから、
中々切り替えができないのでしょう。

そもそも、分数だけではイメージがしにくく、
+が一体どんな意味を持っているのかわかりにくいので、
やはり絵を使って学習することにしましょう!

同じ分母の足し算

+の意味は「合わせる」なんだ、と教えることが大切だと思います。
合わせるだけだから、1を3つに分けたまま変わらない、
つまり分母は変わらない、ということを理解させられます!

通分

通分については、「同じ大きさのままにする」ということを
意識させることが大切だと思います。

=の意味がわかっていない子が多いので、
こちらも、「同じという意味だよ」と教えておくと、
後々の方程式などでラクになると思います。

通分

この例では  を、さらに二つに分割して となっています。同じ数を分母と分子にかけても、大きさは変わらない
ここで、元々の大きさ(緑の蛍光ペンで塗られたところ)が、
変わっていないことに注目させると、
大きさは同じままであることが理解できます!

他にも、 を、三つに分割すると に、
四つに分割すると になることを確認し、
分子と分母に同じ数をかけても、
大きさは同じままであることを教えられたら、
もう、絵を描かせなくても通分は大丈夫です!

分数の足し算

教え方

そして、ついに…
分数の足し算です!
それも、分母の違うもの同士の足し算です。

ここまで、長々と書きましたが、
それほど、分数の足し算は難しいということですね

$$\frac{1}{2}+\frac{1}{4}$$
について、考えてみましょう。

図にすると、こんな感じですね。分母の違う分数の足し算

+は、「合わせる」という意味でしたから、
図を使って合わせてみましょう。分母の違う分数の足し算2

すると、このような図になりますね。(緑の部分を合わせただけです!)

さて、ここで答えを訊くと…
$$\frac{2}{3}$$

と答えてしまうかもしれません。
たしかに、1を3つに分けたうちの二つ分ですから、
そう思ってしまうのも仕方はありません。

しかし、分数では分母の違う分数の足し算3
1を同じ大きさずつ分けなければいけないのです。
この例では、元々 だった部分の大きさと、
元々  だった部分の大きさが違うので、
大きさを揃えないといけないのです。

ここで、先ほどの通分が登場します。
「分母と分子に、同じ数をかければ、大きさは同じまま」でしたね。
通分をして、大きさを揃えることにしましょう!

こうして大きさを揃えたら、いよいよたせるようになります!
分母の違う分数の足し算5

このようにして、分母の違う分数の足し算を教えれば、
「何のために通分するのか」
「どうして分母をたしてはいけないのか」
などといったことを理解したうえで、学習を進めることができるでしょう。

練習

一応理解したとしても、
市販の教材やプリントではハードルが高いかもしれないので、
ヒントを与えながら取り組ませることをお勧めします!分母の違う分数の足し算6

こんな感じでサポートすると、取り組みやすくなると思います。
教わりたての頃だとどうしても、
「分母が違うから通分する」ということが抜けてしまいますからね。

それに、絵をかいておくと、
何をするか思い出しやすくなる・覚えやすくなるので、
慣れるまでは手厚いサポートをお勧めします!

分母の違う分数の足し算7通分をするために、最小公倍数を求めます。
同じ数が見つかれば、その数を分母にしましょう!
通分のためにかけ算する

ここが、ちょっと教えにくいところです。
まず、 についてですが、①分母を6にそろえるために×3します
そして、分子には②分母と同じ数をかけるので、×3します

次に、 についてですが、①分母を6にそろえるために×2します
そして、分子には②分母と同じ数をかけるので、×2します

二つの操作を行うために、ちょっと混乱するかもしれないため、
少し時間をかけて、丁寧に教えるといいと思います!通分のためにかけ算する2
分母が揃ったら、いよいよたし算実行ですね!
ここで、「分母はたせないこと」を忘れているかもしれないので、
「分母はたさないよ」と声をかけるなり、
ヒントとして書いておくなりすると、
意識できるようになって覚えやすくなると思います!

 

実践例

前回のこれで分母は足さないぞ!分数の足し算はこういうことだ!の時と同じく、
私の母にご協力頂きました…本当にありがとうございます。

さて、私の母はわり算すらできないほど、算数が苦手で、
分数なんて全くわかりませんが、
試行錯誤のうえ、一日で分数の足し算 実践例

分数の足し算を、ヒントなしで解けるようになりました!
恐らく、生まれて初めて分数の足し算が解けた瞬間だったと思います!

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