私の受け持ち生徒の一人のお話です。
その人は元々数学がとても苦手で、
学校のテストで10点以下の点数を取っていたこともあったのですが、
私が受け持った11月から、たった3か月で70点を取るようになりました。
彼女にどのような心境の変化があったのかはわかりませんが、
「数学が楽しいから勉強した」
と話していたので、恐らく知的好奇心が刺激され、また自分の成長を実感できたのでしょう。
一度楽しいと思えば、あとはもう安心です。
女性ということで精神面でもしっかりしていることもあり、
受験勉強を誰にも言われずに始めました。
自ら勉学をする人は、それをやる意味も理解しているため、
大変伸びます。こうして彼女は数学で初めて70点を取ったのでした。
また、ある日のことです。
平方根について勉強していたのですが、「平方根は二乗の逆のこと」ということを伝えると、
すぐに理解してくれて、あっという間に平方根の問題を全問正解しました。
彼女はこの経験を通して、
「自分が難しいと思うから難しいだけなんだ」
ということに気付いたそうです。
大人になっても中々気付けないことであるだけに、本当に頭が下がります。
成績が急成長する生徒を見ていると、
「人間の能力にそれほど差がない」ということを感じさせられます。
きっかけ一つでいくらでも伸びるのですから。
それにも関わらず、
成績の優劣で人間の価値まで決めてしまうような人がいらっしゃるのは
正直残念にも思えます。
「どんな生徒も私より素晴らしいところがある」
「いつかこの生徒は私を超えるかもしれない」
そのようなことを考えながら、これからも生徒たちと接していこうと思います。
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