「タトゥー」「ちゅうしゃじょう」
といった言葉を書けない子…
音韻意識の弱さから、言葉を構成している音を聞き分けることができず、
伸ばす音「ー」や、拗音「ゃ、ゅ、ょ、っ」を書き取ることができない生徒がいます。
ひらがな・カタカナが並ぶと音読がタドタドしくなり、
しばしば読み飛ばしをしてしまいます。
こうした問題があったため、
・字と音との関連性が不規則
・字が表す音の単位が小さい※
という特徴を持つ英語は、この生徒に対して非常な困難を強いることになりました。
※字が表す音の単位が小さい、についての補足
日本語では「タ」という音は「た」という文字で表せますが、英語では「ta」と二文字必要になります。
英語では「タ」という音は、「t」という文字が表す「トゥ」と「a」という文字が表す「ア」の2つの音に、更に分割できるのです。
「ドッグ」という音を持つ単語は「犬」を表す、ということは理解していても、
「dog」という単語がどのような音を表しているのかわからず、
中学2年生になっても英単語を全く覚えられませんでした。
私が指導するようになり始めてからも、
しばらくは全く覚えられなかったのですが、
学習方法について試行錯誤を繰り返していくうちに、
次第に「英単語の読み方」がわかるようになりました。
英語の成績も上昇し、定期試験では80点を取るまでになりました。
そして、先日。
受験が終了し、中学校も卒業した後になってしまったのですが、
probably、influence
といった長い英単語もついに読むことができるようになりました。
(ちなみにこの時の学習法は、こちらに記載しました)
さらに嬉しいことに授業後、
「今日はすごく楽しかったです」
と言ってくれたのです。
それまでは英語の授業で「楽しい」とは一言も言われなかったのに…
一年前は英単語が全く読めなかったのに、
今は長い英単語まで読めるようになるとは…
感無量、といった心境でございます。
指導者としても、能力を伸ばすことに対して
「諦めない」「限界を決めない」
ということはすごく辛いものでございますが…
この生徒を見ていると、
今まで必死に一生懸命頑張ったことが報われたように感じます。
コメントを残す