勉強=努力ということが連想されがちですが、
残念ながら才能も少なからず影響してきます。
人にはそれぞれ個性があり、暗記力に優れる人もいれば、
聞き取り能力に優れる人、計算能力に優れる人、
運動能力が優れる人などもいるのです。
それにも関わらず、成績が悪い=努力不足と決めつけることは、
個人的には酷ではないかと感じております。
本日お話しする崎太くん(仮名)は、
計算能力が高くて数学の成績は優秀、
暗記力もあるので理科社会の成績も良好なのですが、
文字や英単語を覚えることが苦手なのです。
家庭教師として指導をはじめるまでは、
家で全く勉強することがなかったそうですが、
保護者様曰く、少しずつ勉強時間が増えていっているそうです。
それで、近頃勉強については、
とやかく注意することがなくなったと仰っていました。
(他のことで注意を受けているそうですが…笑)
宿題で出した漢字や英単語について、覚えているか確認を行うと、
未だに覚えられていないものも出てくるのですが、
着実に覚えている量が増えております。
これは間違いなく、本人が努力しており、
苦手意識を克服しようとしている証だと思います。
ですが、これから1年で偏差値を10も上げなければ、
彼の志望校には届かないので、
どうしても物足りないと感じてしまう私がいるのです。
そうです、焦っているのです。
とはいえ、ここで私が焦って、
「もっと勉強時間を増やして覚えてよ」
などと尻を叩いてしまうと、
せっかくやる気を出している彼を、
挫かせてしまうことになりかねません。
私自身、経験があるのですが、
どんなに頑張っても頑張っても、褒められることなく、
その成果を否定され、もっと頑張れと言われると、
もう何をどのように頑張れば良いのかわからなくなるのです。
だから、ここはグッとこらえて、
努力を褒め、成果を認め、
今のまま頑張ればいいのだという自信と安心感を、
彼に持たせることが大切なのではないかと思っております。
だから、彼に、
「今までよりずいぶん覚えれるようになっているね。
かなり頑張っているんじゃない?
このままの調子で頑張ろうか!」
と声をかけて参りました。
私は指導者として甘すぎるのかもしれません。
ですが、生徒の努力を認め、
生徒の感情や意思を尊重することも、
一人の大人として、私が担う役割なのではないかー
そう考えて、彼の成長を見守ろうと思っております。
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