計算が苦手な子のための割り算

計算が苦手だと、割り算は疲れる!

四則演算の中でも、割り算が苦手な子はとても多く感じます。
足し算、引き算、掛け算と比べて操作が複雑であり、
思考を巡らせ続けないといけないため、
計算に時間がかかる子にとっては大変な負担になるようです。
そのため、「もうやりたくない!」とかんしゃくを起こす子もちらほら…

また、割り算が表す意味について、
つかみにくいところもあるようなので、
「30個のリンゴを6人に分けると、一人分はいくつになりますか」
といった文章題において、どのように計算すればよいかわからず、
困惑する場面が見られます。

そこで、割り算が表す意味をしっかりと理解し、
できるだけ小さな負担で割り算ができる方法を考えてみたいと思います。

 

そもそも、どうして割り算でそんなに疲れるの?

252÷12という計算について考えてみたいと思います。
一般的な方だと、

①250の中に1220入って、10余る
②①で余った10と2を足して、残り12
③12の中には121入る
④20と1を合わせて21

ということを、無意識のうちに行っているのではないでしょうか。
学校教育の賜物で、こうしたことも無意識にできるほど、
私たちの能力は育てられているのです。

ところが計算が苦手な子は往々にして、
上記の思考プロセスにおいて赤字で示した
「いくつ入るのか」
ということが想像しにくいところがあります。

数量に対するイメージ、感覚が掴みにくいようです。

なので、
①12×1はいんにが2、いんいちが1で12
②12×2は…ににんが4、にいちが2で24!
③12×3は…さんにが6、さんいちが3で36!
④12×4は…4にが…
(中略)
⑨12×9はくに18、くいちが9で108!
⑩252-108で144
⑪こたえ、9あまり144!!

…こういうこともありますorz

数量への感覚がつかめないために、
「だいたい、いくつ入る」という見立てがわからず、
このように非常に多くの演算を行わざるを得ず、
疲労しやすくなるようです。

 

お金を使って考えてみよう

なにが一番疲れるかって、
やはり「頭の中でぐるぐると思考を巡らせること」でしょう。
ならば頭の中で考えなくても済むようにしよう、ということで、
具体的な物を用いて考えることにします。

今回は、おもちゃのお金を使った割り算の考え方を紹介いたします。

252÷12という計算について考えてみます。

考えやすくするために、「252円を12人に分ける」というケースを想像してもらいます。

おもちゃのお金で、252円を用意します。
この時、100の位の数が100円玉の枚数、10の位の数が10円玉の枚数、
1の位の数が1円玉の枚数となっていることを確認します。

12人に分ける…のですが、100円玉のままでは12人に分けることができません。
なので、100円玉を10円玉10枚に両替します。

今回は100円玉が2枚あるので、10円玉が20枚になりますね。
10円玉が合わせて25枚となりました。

10円玉は25枚あり、12人に分けることができるので、
1枚ずつ配っていきます。

10円玉を2枚ずつ配ったところで、10円玉が1枚余りました。

10円玉のままでは12人に分けることができないので、
今度は1円玉10枚に両替します。

10円玉1枚を1円玉10枚に両替したので、1円玉が12枚となりました。

再び12人に1枚ずつ配ると…
ちょうど余ることなく配ることができました!

ここで、一人分のお金はいくらになるかを確認し、
この金額が答えとなることを伝えます。

このように具体化して手を動かすことで、
割り算が持つ意味を捉えやすくなります。
時間がかかってしまうことが難点でございますが、
脳にかかる負担が小さく、また楽しんで学習することができ(ると思い)ます。

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