前回は面積に関する記事だったので、
今回は体積に関する記事を書かせて頂きます^^
体積についても面積と同様に、
数概念を掴みにくい子、計算が苦手な子は
体積の概念、意味もわからないため、
ただやみくもに公式を当てはめるだけになってしまい、
応用問題となると手も足も出なくなります。
なので、体積の概念を理解することが必要となります。
「縦×横×高さ」では理解できなかった子に、
どのように体積の概念を理解してもらうかー
私が取り組んでみた方法を当記事で紹介させて頂きます。
つまずきの原因
数が表している量がわからない
掛け算の意味…というより、数が表している量を理解できない子は、
このように当てずっぽうに計算しようとすることがあります。
この時数式が持つ意味、例えば体積であれば、
「縦に3つずつ、横に4つずつ並んで、それが上下に2段重なっている」
と口頭で伝えても、その情景が浮かばないために、
余計に混乱してしまうことがしばしばあります。
こうした声について、私なりに考えたこと…
私は算数障害を持ち合わせていないので、
彼らがどのように数に対して捉えているのかについては、
推測しかできないのですが…
上の写真のように、「3」という数が表す量、「4」という数が表す量がわからず、
単なる「数字」としてしか捉えることができないようです。
そのため、「3個セットが横に4つ並ぶ」と言われても、
「3」が「3という名の数」、「4」が「4という名の数」としか理解できず、
とりあえず足して「7」と答えてしまうように思います。
※5個という少ない個数であっても、
1から順に数えなければ個数がわからない子もいるのですが、
これも数量感覚がつかめないことに起因しているように思えます。
1→2→3→4→5、だから5個だ、と数えることで個数を認識するのですが、
5個というものがどれくらいの量を表しているのかは想像しにくいようです。
と、いうことで「3」や「4」という数でさえ、
どのような量を表しているかを想像することが難しいので、
可視化する必要があります。
具体的な教え方
まずはブロックを重ねて、概念を理解しよう
そういう訳で、可視化して理解しやすくするために、今回もブロックを使用します。
この記事の冒頭で登場した、「縦3cm、横4cm、高さ2cmの直方体」について考えたいと思います。
- 1立方cmはブロック1つ分であり、ブロックの数が体積となることを伝える。
- 写真1のように、立体の土台部分(底面)のみブロックを積む。
- 土台部分のブロックの数を数える。
- 「高さが2cmということは、土台部分のブロックが何段重なっているのか」ということを意識してもらいながら、
必要となるブロックの数を予想してもらう。 - 写真2のようにブロックを積み上げる。
- 実際に使用したブロックの数を数え、体積はいくらになったか訊ねる。
特に4番が重要で、このように意識して予想を立ててもらうことで、
立体の体積が「面積×高さ」ということを理解できるようになります。
(土台が何段重なったか、といった考え方を伝えると良いようです)
さらにこの学習では、何よりも手を動かすので、
遊び感覚で取り組めるようで、楽しめるようです。
そのうえ
こんな複雑な形状の立体の体積についても、
「ブロックがいくつあるか」という視点から考えられるようになり、
何も考えずに「縦×横×高さ」に当てはめても、
正答が求められないことに気付くようになります。
紙に〇を描いて体積を求めよう
体積の概念を理解できたら、
今度はブロックが無くとも体積を求められるようにします。
とはいえ、脳内だけでは数が表している量を掴みにくいため、
紙面に書き出させます。
例えば底面の長方形が縦3cm、横4cmの場合、
縦に〇を3つずつ、横に4つ並べさせます。
さらに底面が何段積み重なるか、ということを考えてもらい、
体積を求めてもらいます。
紙面上であれば、1から数えながら〇を書くことができるため、
また視覚的に数量を捉えることができるようになるため、
どのような計算が必要か理解しやすい、
というような印象を受けております。
数量を可視化することで、
初めて理解することができる子もいるので、
計算できていないからと言って、
無理に計算の意味を伝えないように気を付けたいですね…