学習中にも関わらず、勝手におしゃべりを始めてしまう、「おしゃべりマン」。
そんな「おしゃべりマン」に対して学力をつける方法を紹介致します。
困ったおしゃべりマン
注意欠陥多動性障害(ADHD)といった発達障害を抱える生徒や、その傾向のある生徒は、
気になったことを衝動的に話してしまうことがよくあり、
相手が困っていると気づいていても、おしゃべりを止められない、
いわゆるマシンガントークをしてしまうのです。
しかし、学習中にマシンガントークが炸裂してしまうと、
学習が捗らなくなってしまい、
教える立場の人間からすると、苛立ちを覚えてしまいます。
「勉強を教える」という使命感があるだけに、
思い通りに行かないことにストレスが溜まってしまうのです。
それで、教員や塾講師、家庭教師、
お母様、お父様などにも叱られることが多く、
「また失敗した…」
と反省するのですが、結局自分を押さえつけられず、
同じ過ちを繰り返してしまい、
自信を失ってしまうようです。
周囲の人を困らせることばかりに目が行ってしまうのですが、
一番困っている人は、自分を抑えられないこの「おしゃべりマン」なのです。
(私の生徒も過去に、衝動的に人を傷つけてしまったことがありましたね…
このように人間関係にこじれを作ってしまい、悩むことが多いようです)
おしゃべり寛容令
おしゃべり寛容令のメリット
メリットは以下の3つが挙げられます。
- 精神的に落ち着く
- 素直に話を聞くようになる
- 記憶が強化される
以下に、詳しくご説明致します。
学習中のおしゃべりを禁止してしまっても、
学習中に浮かんだ、全く関係ないことが気になってしまい、
結局集中できず、学習を通して学力が身に付きにくいという問題点があります。
さらに自分を抑えることからのストレス、
おしゃべりをした際に受ける叱責からのストレスなどにより、
自己肯定感が育ちにくく、
自信がつかないという問題点もございます。
そのため、私はいっそおしゃべりをさせた方がいいのではないかと考え、
おしゃべりを推奨し、おしゃべりを聞くようにしております。
このおしゃべり寛容令を出した当初は、
生徒たちは「勉強したくないから、ずっとおしゃべりしよう」
と学習をなおざりにしてしまっていました。
しかし、段々と
「自分のことを認めてくれる」
と信頼してもらえるようになり、
私の学習に関する説明を素直に聞くようになったり、
精神的に落ち着くようになったりしており、
学業面でも精神面でも、成長を遂げております。
また、理科や社会など、
用語を覚える必要がある教科では、
私が説明したことに関して、
連想したことを自由におしゃべりしてもらうことにより、
記憶の強化につながるのではないかと考えております。
おしゃべり寛容令の問題点
問題点は以下の2つが挙げられます。
- 教える側の負担が大きい
- 集中力がつかない
以下に、詳しくご説明致します。
おしゃべりを寛容するということは、
おしゃべりをひたすら「聞く」ということでもあるので、
精神的に疲労が溜まります。
さらに、おしゃべりにつきあう分だけ、
学習につきあう時間が長くなってしまうため、
精神的にも、時間的にも、多くの負担を強いることになります。
教える側が几帳面な性格の方であれば、
非常に強いストレスを抱えてしまい、耐えられなくなる可能性がございます。
「医者の不養生」というように、
教える側がストレスで耐えられなくなっては元も子もないので、
「この教え方は自分には合わない」と感じたら、
多少おしゃべりに対して注意を入れるようにしたり、
いっそ他の方法を試すようにしたりすることも必要だと思います。
(教える方によっても、良い教え方は人それぞれ異なると思いますので)
それから、おしゃべりを促すことで、
学習に対する集中力をつける機会を奪うことになるとも考えられます。
ただし、集中できないことは脳の機能の問題である可能性もあるため、
集中力をつける適切な方法が見つからないのではないかと思われます。
まとめ
おしゃべりを衝動的にしてしまう「おしゃべりマン」に対しては、
「おしゃべりを禁止する」のではなく、
「おしゃべりを推奨する」という方法で、
学業面でも精神面でも成長を促すことができます。
しかし、教える側・おしゃべりを聞く側の負担が大きく、
人によっては耐えられない場合もございます。
そのため、「一つの教え方」として参考にしつつ、
自分に合う教え方を模索することも必要です。
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