【数学が苦手な子・発達障害の子向け】中学3年の二次関数の解き方を覚えるコツを解説します!教え方の参考にも!

変域を求める

二次関数については以前も取り上げましたが、指導していくにつれて、さらにわかりやすい方法を見つけたので、再び投稿させて頂きます!数学がとても苦手な子…解き方が混ざってしまって覚えられない子に対しても有効なので、ぜひお試しください^^

とにかく表を書こう!

解法を覚えるにしても、シンプルなことが一番、
「表を書く」
ただ、それだけです。
これさえやれば、どの問題にも対処できます!

xとyの関係を式に表す問題

例えば次の問題について考えてみましょう!

二次関数の式を求める

\(x\)と\(y\)の関係を式に表す問題ですね。
なので、答え方は

\(y=ax^2\)

の形になります!

教える時の注意
数学が苦手だと、文章を全く読まず、なんとなくで答えることが多いです。何を求めるから、どんな形の解答になるのかを意識させることが大切なのです。
それでは早速表を書いてみます。

二次関数の式を表から求める

\(x\)、\(x^2\)、\(y\)を縦に書くだけです。
ここに、問題に書かれていた\(x=2\)・\(y=20\)
を表に書き込みます!

二次関数の値を表に書き込む
教える時の注意
数学が苦手な子は表の見方、書き込み方がわかっていないことがよくあります。もしわかっていない様子でしたら、丁寧に教えてあげましょう。

さらに\(x^2\)のところにも値を書き込みます。
この欄は、\(x\)値(ここでは2)を二乗した数を入れてください。

二次関数の式を表から求める

これで表が全て埋まりました!
次に、\(x^2\)とyの関係を求めるために、表の真ん中(今回は4)と一番下(今回は20)を見比べます。
そして、何倍になっているか調べましょう。

二次関数の式を表から求める

5=20なので、5倍になっていますね!
なので、

\(y=5x^2\)

となります! 

二次関数の式を表から求める
まずは、理解より覚える
数学が苦手な子からすると、式の意味を理解して覚えるよりも、丸暗記の方がやりやすいです。
今回ならば、\(x^2\)を5倍するとyになるから、y=5\(x^2\)と教えたいところですが、それよりも5倍だからy=5\(x^2\)なんだ、と流れ作業のように記憶する方が覚えやすいです。
そもそも\(x^2\の
5倍だから5\(x^2\、という考え方ができていないので、その考え方ができるまでは、思考させるより覚えることを重視しています。

yの値を求める問題

例えば次の問題について考えてみましょう!

yの値を求める問題

 

今度はyのを求める問題ですね。
値を求めよ、と出たら、数字で答えればOKです!

\(y=数\)

の形になります!
それでは早速表を書いてみます。
今回はx=2の場合とx=3の場合の2パターンがあるので、表を2列に増やします。

yの値を表から求める
それでは、問題に書かれていた\(x=2\)・\(y=18\)・\(x=3\)
を表に書き込みましょう!yの値を表から求める

教える時の注意
表の見方がわからない子のために、xの値がどこに入るか、yの値がどこに入るか、上の画像のように補助するとやりやすいと思います。
また、縦方向につながっている(x=2のときy=18,x=3のときのyを求めよ)ことも教えておくと、表の見方がわかるようになるでしょう。

さらに\(x^2\)のところにも値を書き込みます。
この欄は、先ほど同様に\(x\)値を二乗した数を入れてください。

yの値を表から求める

次に、\(x^2\)とyの関係を求めるために、表の真ん中(今回は4)と一番下(今回は8)を見比べます。
そして、何倍になっているか調べましょう。(先ほどと同じですね^^)

yの値を表から求める

2=8なので、2倍になっていますね!
この関係は、\(x=3\)でも同じなので、こちらも2倍しましょう。

yの値を表から求める

すると、yの値は18と出ましたね!という訳で解答は

\(y = 18\)

となります!

グラフを描く問題

例えば次の問題について考えてみましょう!

グラフを描く問題

今度はグラフを描く問題ですね。
当然ながら、グラフを描けばOKです!

グラフを描く際は、やはり表を書きましょう!
二次関数の場合は、0から5まで書くと良いでしょう。

グラフを描く

それでは、早速表を埋めていきたいと思います。
今回は\(y=2x^2\)なので、\(x^2\)を2倍します!

グラフを描く

教える時の注意
先ほど、xとyの関係を求める問題で、「5倍だから\(y=5x^2\)」としたから、わざわざ説明しなくとも「\(y=2x^2\)だから2倍」ということはわかるような気もします。しかし、数学が苦手な子は2×3=6だから、6=2×3のような、逆に考えることが難しい傾向があります。なので、説明しなくても気付きそうなことでも、丁寧に説明することが大切なのです。

まず、\(x^2\)のところに値を書き込みます。
この欄は、先ほど同様に\(x\)値を二乗した数を入れてください。

グラフを描く

さらに、\(x^2\)の欄の数を2倍した数を書き入れます。
(今回はy=2\(x^2\)だったので2倍、y=3\(x^2\)だったら3倍になります)

グラフを描く

ここまで来たら、あとはグラフに書き込むだけです!

グラフを描く

x=3のとき、y=18で一つはみ出ますが、グラフを正確に描くために点を打っています。(点は大体の場所でOKです!)
x=4以降は書き込めないので、次はマイナス側の点を打っていきます。

グラフを描く

鏡のように同じ高さに点を打って、

グラフを描く

線をつなげば完成です!

変域を求める問題

0を含まない場合

例えば次の問題について考えてみましょう!

変域を求める

今度はyの変域を求める問題ですね。
答え方は

〇≦y≦〇

の形になります!
では、今回も表を使って解きます!

yの値を表から求める

問題に書かれていた値を表に書き込みましょう!変域を求める

問題に書かれているのはxの変域なので、xの欄に2と4を書き入れます。
さらに、\(x^2\)の欄には、それらを二乗した値(4と16)を書き入れます。

変域を求める

今回は\(y=\frac{1}{2}x^2\)なので、\(x^2\)を\(\frac{1}{2}\)倍します!
すると、\(4×\frac{1}{2}=2\)と\(16×\frac{1}{2}=8\)が出ますね!

変域を求める

ここで出た2と8について、小さい方を左、大きい方を右にして答えます。

\(2≦y≦8\)

となります!

0を含む場合

では次に、変域に0を含む場合の問題について考えてみましょう!

変域を求める

先ほど同様に値を書き込みます。

変域を求める
ここで注意!
変域に0が含まれる(今回は-2と4の間に0がある)場合、\(x\)の欄に0も書き入れます

教える時の注意
数学が苦手な子の傾向として、「この場合はこうする」という条件分岐がわかりにくいように感じます。今回であれば、変域の中に0が含まれる場合のみ、\(x=0\)を書き込む操作をしていますが、よくこの条件分岐の存在を忘れます。なので、手厚い支援…「変域の中に0が含まれているよ」といった声掛けを毎回行うなどの支援が必要となります。

変域を求める

\(x^2\)の欄・\(y\)の欄には、先ほどの問題と同じく、
二乗した値、\(\frac{1}{2}\)した値を書き込みます。

変域を求める
ここで出た2と0と8について、一番小さい数を左、一番大きい数を右にして答えます。

\(0≦y≦8\)

となります!

教える時の注意
今回はせっかく出した2について、最小値でも最大値でも無いため無視していますが、生徒の中には「必ず全ての数を答えに入れないといけない」という固定観念に縛られて、\(0≦2≦8\)などと答えることもあるかもしれません。こういう時、理屈を言って説明するよりも、固定観念を取り払えるように説得することを意識した方が、理解しやすいように感じています。

変化の割合を求める問題

最後に変化の割合を求める問題に取り組みましょう!
例として、次の問題について考えます。

変化の割合を求める

変化の割合を求めるので、数を答えることになります。
今回も表を使って考えます!

変化の割合を求める

先程までの問題と同じように、\(x\)の値、\(x^2\)の値、\(y\)の値を表に書き入れます。
今回は\(y=x^2\)となっており、1倍となることに気をつけましょう!

変化の割合を求める

今回の問題では、「1から3まで増加」とあるので、いくら増えたかを書き入れます。
「増加があれば足し算」と覚えましょう!

教える時の注意
切り替えの苦手な子にとって、固定観念を取り払うことは大変です。先程までかけ算で関係を調べていたので、表といえばかけ算!と言う固定観念ができてしまうのですが、変化の割合では足し算も使わなければいけないので、どんな時に足し算を使い、どんな時に掛け算を使うのかがわからなくて混乱する可能性があります。そこで、増加だから足し算などと条件を明確にすることで、混乱をさせないように配慮しています。

変化の割合を求める

最後に、\(x\)の増加分と\(y\)の増加分をクロスさせて、

\(\frac{8}{2}=4\)

と約分すると、求まります!

おわりに

数学が苦手な子に教えても、解き方が何種類もあると混同し、思うように使い分けられない光景を何度も目にしてきました。特に関数では、式の意味が理解できないため「とにかく丸暗記」するも、理解できないから記憶も曖昧で、全く関係のない解法と混ざって答えてしまうことがよくありました。

それで、視覚的にわかりやすいように、記憶に残りやすいように、表を使って求める方法を採ることにしました。これならばどの問題にも対応でき、覚える量も少ないという利点もあるため、私が教えている数学の苦手な生徒もすぐに使い分けられるようになりました。

今回は二次関数でしたが、二次関数に限らず他の単元でも覚えやすいように、さらにこのような、数学の苦手な子ができるようになるような教え方の研究をしていきたいと思います!

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