数概念がつかめない子のための方程式

中学生から始まる数学では
式の変形によって解を導いたり、
導かれた数式から物事を証明したり、
文章題に適用して数値を求めたりと、
算数よりずっと抽象的な物事を扱うことになります。

ところが数概念がつかめない子にとっては、
数や式が表している意味を把握しづらいため、
簡単な方程式を解く場合でさえ、
「数式の変形を何のために行うのか」
「どのように行えばよいのか」
全く理解できない状態に陥ってしまいます。

そこで徹底的に繰り返させてやり方を身に着けるー
という手法も良いかもしれませんが、
ここは「楽しく」理解できるように、
またもや絵を用いて説明することにします。

 

つまずき支援ポイント

xが何を表しているのかがわからない

まつもと
x+1=3という式について、xはいくつでしょう?
生徒
xとか意味不明です、x+1ってどうやって計算すればいいのですか?

中学生に上がっていきなり「x」という文字が現れて、
面喰ってしまうのも無理はありません。

まつもと
どんな数かわからないけど、とりあえずわからない数をxとおいて式を作っているんだよ
生徒
?????(固まってしまう)
まつもと
なら、虫食い算を思い出そう。□+1=3、□に入るのは?
生徒
2ですか?
まつもと
そうそう、これと同じ。□がxに代わっただけだよ。
生徒
へえ、なるほど…

と、いうことでこれも考えやすくするために、
こんな絵を描かせることにします。

左辺と右辺の皿を並べ、どちらも同じ数になることを
視覚的に捉えられるようにすることで、
xがどのような数になるか考えることができるようになります。

時間はかかりますが、移項など式の変形をするより、
こちらのほうが疲れにくく、わかりやすいようです。

どうして掛け算しないといけないの?

まつもと
今度は分数を含む方程式です!
生徒
えーーーーやだーーーーー分数嫌いーーーーー
まつもと
はい、はい。やってみるよ(笑)$$\frac{1}{2}x = 2の、xを求めてください。$$
生徒
$$\frac{1}{2}xは、xを2つに分けたうちの一つ分ですよね!$$
まつもと
そうそう、だから2倍したらxがどんな数かわかるよね?
生徒
2倍?????2倍ってどうすればいいんですか?
まつもと
同じものを2つ足す、つまり2をかけるってことだよ。
生徒
なんか、2倍とか、×2とかってイメージできないんですよね…

「半分にしたものを2倍すると元通りになる」
なんて説明しても、全く理解できないようです。
$$なので、やはり\frac{1}{2}xを絵にし、$$2つ足し合わせることでxとなることを視覚的に捉えることで、
xが表す数を考えさせることにしました。

どうも、掛け算や割り算が表す意味を理解しにくいので、
できるだけ足し算と引き算だけで表せるように工夫しております

方程式を絵で操作して解く!
  1. 左側にxを4等分したうち3つ分のみ残し、残りは消す。
  2. 右側は1を3つ並べる。
  3. 分母の数(4)だけ、同じ〇を用意する。
  4. 左側の数、右側の数をそれぞれ足し合わせる。
  5. 足し合わせて導かれた方程式(3x=12)について、xに当てはまる数を考える。

数学が苦手な中学生の頭を悩ませる方程式ですが、
このように絵を使って操作をさせることで、
「数式の変形を何のために行うのか」
「どのように行えばよいのか」
ということが捉えやすくなるようです。

時間はかかってしまいますが、こんな調子で、
一つでも二つでも多くのことを理解できるように、
丁寧な支援を続けていきたいと思います!

1 Star 1
読み込み中...
当記事がご参考になりましたら、ハートをクリックしてください^^

他の特別支援教育に携わる先生のブログをご覧になりたい方はこちら
他の家庭教師のブログをご覧になりたい方はこちら

コメントを残す