割り算の考え方については、小学3年で学習します。
割り算の考え方…「人数分だけ、等しく分ける」とか、「いくつ分入る」とか、こういったものは、授業で説明を受けて理解された方もいれば、割り算をこなしていくうちに自然と理解された方もいらっしゃるでしょう。
ところが中には、説明を受けても、割り算のやり方を身に着けても、
割り算を行う意味が全く理解できていない子がいます。
なので、「200円を5人に分けると、一人いくらになりますか」
と訊ねても、「等分する」という操作が割り算とつながらないため、
200-5、或いは200×5
といった誤りをしてしまうのです。
(このことに関する考察などは、
『分けるって意味が本当にわからないんです』
『文章題を当てずっぽうに解いてしまうのは、実はこんな理由でした!』
にて紹介させて頂いております)
そういう訳で、割り算の操作を意味も分からず行っている子に、割り算の意味を教えてみました。
生徒に割り算の考え方を教える
教授風景
今回は割り算の操作はバッチリですが、割り算を用いる文章題だと全く歯が立たない子に対して、教えてみました。
※黒いコの字状の線と、赤い点線で囲まれているところ、ここが一人分になるんだよ。ここにある□はいくつ?
8÷2=4という計算は、8を二人で分けたら、一人分はいくつになるか、
ってことだったんだね。
6÷2は6を二人で分けるから一人分は3だし、10÷5は10を5人で分けるから一人分は2になるでしょ?(図で示しながら伝える)
「等分する」「分ける」ということと、割り算がしっかりと結びついたようです^^
教える際に気を付けたこと
「※黒いコの字状の線と、赤い点線で囲まれているところ、ここが一人分になるんだよ。ここにある□はいくつ?」の部分について、注釈です。
生徒の特性によるのですが、自閉傾向にある子、言葉に対する理解が遅れている子には、
訊ねる際に「発問をできるだけ具体的にする」ように心がけています。
私が理系出身であるため、どうしても思考を要求させてしまう癖があるのですが、
「どのように考えればいいのかわからない」「具体的に言われないとわからない」
という困難を抱えている以上、私が望むような思考をさせられるだけでも
大変な苦痛であることが多いのです。
まとめ
図や具体物を用いることで、「等分する」「分ける」という操作と割り算を結びつけることができました。このため、面積の応用問題においても、「割り算を行えばよい」ということに気付くまでになり、割り算の考え方を深く理解したように思われます。