数学が苦手な子について

数学は学校教育において、主要な科目の一つです。

しかし、最も「苦手」だと感じる人が多い科目の一つでもございます。

なぜこれほど「苦手」になるのか、

どのように学習すれば良いのか、

綴って参りたいと思います。

 

数学が苦手になる理由

なぜ数学が嫌になるのか

説明や操作手順を理解しにくい

私は家庭教師として、数学を生徒に教えておりますが、

どんなに噛み砕いた説明を行っても、

「理解できない」

という生徒が一定数存在します。

 

例えば

 -3+(-4)

という計算を教える場合、主流的な教え方とすると、

「+()は括弧の中の符号をそのままにして外す」

といった機械的な操作手順を伝えたり、

数直線を用いて視覚的に理解を促したりします。

 

ところが私の生徒(以下T君と記します)にこの教え方をしても、

言ったそばですぐに倒錯して計算をしてしまい、

何度粘り強く教えても、身に付くことはございませんでした

 

T君も理解しようと努めたにも関わらず、

理解できない自分を歯がゆくなり、

「どうせ自分は頭が悪いから」と自信をなくしてしまうのでした。

計算が遅い

一般的な同学年の生徒と比べると、非常に計算が遅い生徒も存在します。

・指を折らないと足し算・引き算できない

・九九の段の初めから唱えないとかけ算できない※

といった生徒たちです。

※「九九の段の初めから唱えないとかけ算できない」とは具体的に、
3×9ならば、「さんいちがさん、さんにがろく、ささんがきゅう、
…さんくにじゅうしち、あ、27か!」と唱えなければ
かけ算を行えないことを指しています。

 

しかし小学校高学年になると、

指を折ったり唱えていたりしていると、

周囲からバカにされたり、先生に注意されたりするようになるので、

次第にそのような行為を行わなくなります。

 

ただ、指を折ったり唱えたりしなければ、

計算できないということには変わりないので、

指を折る代わりに指を少し動かすことで数えたり、

頭の中で九九を唱えたりすることで計算を行うため、

計算に時間がかかることには変わりなく、

数問解くだけでも疲弊してしまうようです。

どのように教えれば良いのか 

説明や操作手順を理解しにくい場合

T君にどんなに工夫して教えても

なぜ身に付かないのか、四苦八苦していた時の話です。

 

話題の内容はわすれてしまいましたが、

T君のお母様と話していた際に、お母様が笑いながら

「あの子、右と左がわからないんですよね〜

右折と左折はわかるのに」

と仰ったことで、彼がつまずく理由が理解できました。

 

彼は「抽象的な概念」が理解しにくいのでした。

だから、抽象的な概念である「数」の操作を行う、

「数学」という学問が苦手になるのでした。

 

それならば、

「具体的なものに置き換えてみてはどうか」

と考え、試行錯誤した後に、

「プラスの数は山の数、マイナスの数は穴の数」

というアイデアが浮かび、

正負の数の足し算・引き算のイメージ

で紹介したような教え方を実践してみました。

 

これが見事に成功し、

T君は「テストで、先生が教えてくれたやり方を使ったら、

正負の数の足し算・引き算の問題を解くことができました」

と語ってくれたのでした。

計算が遅い場合

計算が遅い生徒たちはしばしば、

「10という数は、3とどんな数を合わせた数ですか?」

という問いかけに、答えるまでに時間をかけてしまいます。

つまり、10がどんな数を合わせた数なのか、という

数の量の概念(基数性)が身に付いていないように思われます。

 

現在のところ、

私は彼らに有効な教え方を見つけられていませんが、

「算数天秤」を用いて、

体験的に数量への理解を促してはどうか、と考えております。

 

まとめ

数学が苦手な子の特徴として、本記事では、

1.説明や操作手順を理解しにくい

2.計算が遅い

というケースについて、触れました。

 

説明や操作手順を理解しにくい生徒については、

「抽象的な概念を理解しにくい」と推測し、

数を具体的なものにイメージしてもらうことで、

理解できることを確認しました。

 

計算が遅い生徒については、

「数の量の概念、基数性が身に付いていない」

と考えられますが、筆者は未だ有効な学習方法を知らず、

模索している段階でございます。

 


数学が苦手になる理由について、

本記事では極端な例を挙げさせて頂きましたが、

彼らと比べると症状は軽いものの、

同じような理由でつまずく生徒は多いのではないかと思います。

 

そうした生徒を教える先生方に、

少しでも参考になってお役に立てれば…と祈りながら

本記事を締めさせて頂きます。

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